飛行機と少女シリーズ30 キ87 試作高々度近距離戦闘機

 キ84(4式戦疾風)に続いて、中島で試作された最後の陸軍戦闘機と
なったのが、排気タービン装備の高々度近距離戦闘機キ87である。
 試作着手は昭和17年11月で、1号機の完成は2年後の19年11月
を予定したが、設計スタッフがキ84の量産、実用化などに追われたせい
もあって遅れ、20年2月にようやく完成にこぎつけた。
 中島で試作したハ219ル(のちにハ44-12ル)を装備し、最大速
度は高度11,000メートルで約700km/hが出せる予定であった。
 本機は全幅13.4m、全長11.8m、全備重量6tという、日本の
単発戦闘機としては前例のない”ヘビー級”であった。
 脚の引き込み方式は、主翼の単桁構造と翼内燃料タンクの配置を考慮し
て、日本機では珍しい90°回転して引き込めるというP40のような方
法を採用している。
 ハ219ルエンジン、排気タービンともに不調で、満足なテスト飛行も
できず、結局、敗戦までに脚を出したまま数回の”慣らし飛行”を行った
程度で終わった。
 機体がどうのこうのという問題ではなく、排気タービンを実用化できな
い日本の基礎技術と工業力に根本的な問題があったわけで、この点に日本
の限界が凝縮されている。

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 通常側面図は左側が機首になる場合が多いのですが、キ87の場合排気
タービンが右側面についている関係で、右側が機首になっている図面が多
いです。というわけで私も右側を機首にしてみました。やっぱり特徴であ
る排気タービンが見えないとね。
 構図からいうと左上にキ87を置いたほうがいいのですが、スペースの
関係で左下になってます。小さくして左上に置くべきか、大きくて左下の
ほうがいいのか迷いました。
 しかし左下に置いた関係で左上に隙間ができてしまいました。字をいれ
ようかと思ったのです、なんか作品として見た場合字がないほうがいいよ
うな気がして、入れませんでした。気になる人は自分で字なり絵なりを入
れて下さい。よい作品ができたら見せてね。:-)

                         ECM

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