飛行機と少女シリーズ20 キ83 試作遠距離戦闘機

 昭和16年(1941)5月、キ45改(二式複座戦闘機)の後継機を
めざした爆撃機援護の長距離戦闘機として計画されたのがキ83。キ46
(一〇〇式司令部偵察機)で成功した久保技師の設計により、双発戦闘機
としては限界ともいえる美しく洗練されたスタイルを有している。
 エンジンは三菱製の排気タービン過給器付ハ211−ル(離昇2,20
0HP)を装備して、高度9,000mで700km/hを出す予定だっ
た。
 武装は20mmと30mm機関砲をそれぞれ2門という強力なもので、
B29迎撃にも威力を発揮していたであろうと惜しまれる。
 テストはエンジンの不調や機体の振動などが発生して順調には進まず、
試作4機が完成したのみに終わった。
 高オクタン・ガソリンを使用した米軍側のテストでは、実に762Km
/hという快速を示し、設計の優秀さを立証した。

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 燃料事情が悪くて、エンジンの故障が多かったのは、当時の日本機に共
通した悩みであった。
 高々度性能を向上させる、排気タービン過給器を実用化するのは日本の
工業技術レベルからいって不可能であった。もっとも当時実用的な排気タ
ービン過給器を作れたのはアメリカだけだったから、当然かもしれない。

                           ECM

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